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『血の婚礼』関連 ③
2011.08.04
午後になって外はだいぶ暑くなってきたようですね。館内は涼しいので是非お立ち寄りくださいね(笑。
さて、今日はこちらの《血の婚礼》から詩(うた)を1つ、冒頭のみご紹介します。…ちょっと余談ですがこの本は岩波文庫のものであり、岩波書店の創業者の岩波茂雄氏が長野県諏訪市の出身だったことから同市には『風樹文庫』という図書館があるのだそうです。調べてみるとかなり興味深い!!、安曇野へお出かけのついでに、皆サマも足を伸ばされてはいかがでしょうか?w
月(白い顔をした若い木こりの形姿、舞台はあざやかな青の輝き)
わたしは川面に映る白い白鳥
大聖堂のステンドグラスの目
木の葉にふりそそぐ偽の曙光
誰も逃げられはしない!
誰だ 隠れているのは? 誰だ
谷間の茂みですすり泣くのは?
月のわたしが 空中に
ナイフを一本ただよわせれば
すきをうかがう鉛となって
血の出る苦痛をさがし求める。
わたしを中に入れてくれ!
凍えたわたしを壁と窓の中に!
屋根をひらき 胸をひらいて
わたしのからだを暖めてくれ!
おお 寒い! 夢みる金属の
燃えかすのごときわたしは
夜な夜な 山野や通りに
炎のとさかを求めてまわる。…
(牛島信明 訳/三大悲劇衆 血の婚礼より抜粋)
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