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アンティコリ・コラード

2007.07.21

070726-1.JPG現在開催中の企画展「ITALIA」では、ベニスを中心にマスカラード(仮面舞踏会)やプロセッション(宗教行列)などを展示していますが、その他にもトスカーナの山を描いたものやアンティコリの街角や人々を描いたものを展示しています。
アンティコリというのはイタリア丘陵地帯にあるとても小さな集落なのだとか。かなり辺鄙な地域で、けれど急がない時間が流れる街…。
そこでなぜジャンセン氏がここを見つけ出し訪れたのか知りたいと、少し調べていたらこちらのページを見つけました。
山の斜面に建つために生まれる高低差、この不便さを利に変え美徳とするこの町並みの中にジャンセン氏は何を視たのか。。
少しでも資料が欲しかったのでこちらのページに記載のあったルドフスキーの『建築家なしの建築』を購入しました。
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070726.JPGアンティコリの写真は残念ながら1枚のみでしたが、これはニューヨーク近代美術館で行われた展覧会の内容でもあったようです。(そしてこれは『これまで建築史の正系から外れていた建築の未知の世界を紹介することで建築芸術についての私たちの狭い概念を打ち破ることを目指している』とのこと。)
建築の歴史を紐解くことは他がそうであるようにやはり難しく、キリスト教を信じる国ではアダムの息子カインが都市を築いたという部分を発端とする人々や、アララテ山にノアの箱船が上陸しその残骸を利用して息子が小屋を作ったとされるところを発端とする人々(この場合、箱船は主の発注であり主の指示によって建造されたと考えている)があるそうです。
ジャンセンは、アララテを持つアルメニアの民族として生を受けています。
階段が、街角が、人々の目が、交差する起伏ある道が、…そんな彼を無意識に惹きつけたのかもしれないなと思いました。
建築からのいりぐちも良いものですね。