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セルバンテスを覗く。

2011.03.04

一昨日から始まった2011年度最初の企画展がセルバンテス作品に関連したものなので、セルバンテスさんについてももう少し掘り下げておこうとあちこちひっくり返し探っていくのも私たちにとっては仕事の内。個人的にも比較的文学好きではあるとは思うものの、なにかと偏った性格なせいか手持ちからは何も見出せずに足でも目でもハシゴして関連する資料を探し、今になっても順に触れていっています。けれどこの過程で私がずっと感じているのは「この方…そうとう気難しかったのでは」ということ。

多くの作品には詩や詩歌などが織りまぜてあって思わず想像力をかきたてられてしまうような柔らかい部分があるかと思えば、文中に神経質ともとれる綿密な描写があったり、その流れに乗って進めていくと突如『これまで!』と言わんばかりにバッサリ断ち切られたり。作中のリズムは変調を重ね、いったいどこがゴールなのか(どこに向かっているのか)わからないままどんどん進んでいったかと思えば、キリキリするような行ったり来たりを重ね…あげくグサリと釘を打たれる。うーん…(笑。
で、考えるのはやはり『ジャンセンさんはなぜこの時セルバンテス世界を選んだのか?』ということ。
シャルル・ボードレールパリの憂鬱を調べていた時に感じていたものとは絶対的に違う理由だと感じざるを得ないので、ジャンセンさんについても私たちももっともっと知らなくてはいけないなぁと思いますし、こうしてジャンセンさんを介して逆に私たち自身もセルバンテス世界への扉を開けていただけることがまたありがたいなぁ?と感じています。