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バクウィン・コレクションに作品戻る

2011.02.08

美術館連絡協議会の発行する美連協ニュースの2月号(no.109)に、《ジャンセン作品、戻る》といったニュースが出ていたのでビックリして調べてみると、いくつかの海外サイトでニュースにあがっていたのでこちらでもご紹介したいと思います。
まずはこちらのニュースをご覧ください。
《…1978年、マサチューセッツ州の美術蒐集家バクウィン夫妻のもとからセザンヌスーチン(スーティン)ユトリロジャンセンの7枚の絵画が盗難にあった。これは私邸からの美術盗難事件としては最大規模と言われている事件だった。後に犯人(デビッド・コルヴィン)が割り出されるも彼は1979年に(別事件で)撃たれて死亡しており、当時彼から別件で相談を受けていた友人の弁護士(なんと後に画家としてデビューしていた!)ロバートが彼のこうした隠し財産の在処を知り(このまま我が財産にせんと)ずっと隠し通していた。…》と、この辺りが書かれています。



そしてこちらが今回の大ニュース。
《…それぞれの作品、セザンヌの静物画はすでに競売で売られ、その他4枚も(別の競売にかけられたところ等をみつかり交渉の上で)すでにバクウィン氏(夫妻の息子さん)のもとに戻っていたが、それでも32年もの間見つからなかった残り2枚のジャンセン作品が今回ようやくコレクションに帰ることになった。これに対し氏は、"作品価格などは一切関係なく私はこの2枚の絵がとても好きです。"と(笑顔で)述べている。…》といった辺りが書かれています。
この後この2枚の作品がどうなるのか(またはどうなったのか)は知りませんが、バクウィン・コレクションは本になってしまうくらい層の厚い素晴らしいものであり、今回の美連協ニュースにこの記事を書かれていた美術史家の後藤トキ子女史も『自分もバクウィン邸で素晴らしいコレクションが開いた玄関から見えていたので、ギャラリーと勘違いして不法侵入してしまいそうになった経験がある』と補足しておられるような空間で、様々な作品とともに『それとなく』飾られ、バクウィンファミリーに愛され大切にされていたらいいな…と思っています。