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LE CREPUSCURE DU SOIR(黄昏)

2006.10.08

日が沈む。一日の労苦に疲れた哀れな魂の裡に、大きな平和が作られる。そして今それらの思想は、黄昏時の、さだかならぬ仄かな色に染めなされる。
かかる折しも、かの山の嶺から薄暮の透明な靄を通して私の家の露台まで、高まってくる潮のような、吹き募る嵐のような、ほど遠い距離がもの悲しい諧調に作りかえる雑多な叫びの入りまじった、大きな呻りが聞こえてくる。
夕暮れが平静へと帰さないところの、夜の到来を魔宴(ザッパ)の合図ととり違える、この梟のような、不幸な魂は何だろう?この不吉な呻り声は、……
(三好達治訳:巴里の憂鬱より抜粋)

夜の音色を感じますね…夕闇の森では、それだけが持つ響きに満たされます。
ボードレール作品には様々な音色があります。文学だったはずが、絵画になり、音楽になり、芸術となる。。
どうぞそのすべてから、あなたのすべてで芸術の秋を体感してください。